2009年

2月16日

3.モンブランの登頂者

1:47トイレに行きたくなり目が覚める。

非難小屋の中に温度計を見つけたので確認。

外は強風が吹き雪も降りだした。
トイレから帰ると女性が咳を連続しなんか調子が悪そう。
二階に戻りまた寝る。

6:00起床。
外は相変わらずの強風、朝食を食べ荷物を減らす。

食後におしるこを飲んでいたら下の二人も起きた模様。

6:25非難小屋の外に出て状況を確認。
今日は早めに下山する予定だけど、この悪天の中を出発出来るだろうか?

6:46不安な気持ちで非難小屋に戻るとマキストーブの前に女性が座っていた。
「今日は天気が悪いですね。」と朝の挨拶。
するとこの天候と女性の花粉症がひどくなったので二人は今日の三嶺行きを中止にしたらしい。

ストーブの前で雑談、実は去年登山を始めた事などを話していると、男性の方が心配してくれ、
今日の下山を途中まで付き添ってくれることになった。
昨日非難小屋に着きこの先客の装備を見た時、只者ではない事は薄々気が付いていたので後でこっそり女性に確認。
日本山岳会の会員で最近は*モンブランに登頂したらしい事が判明した。

*モンブラン(4810,9m)は、フランスとイタリアの国境に位置する、ヨーロッパアルプスの最高峰。
ヨーロッパではロシアのエルブルス山(5642m)に次ぎ高い山であり、西ヨーロッパでは最高峰である。
魔の山と恐れられていたモンブランは、1786年8月8日に水晶取りのジャック・バルマと医者のミッシェル・ガブリエル・パッカールによって征服される。
賞金欲しさと科学調査という奇妙な組み合わせの冒険でしたが、この初登頂が近代登山の夜明けを告げた。

7:35女性は非難小屋でもう少し眠り、男性は私と一緒に天狗峠まで行き天狗塚に登る。
そして男性は小屋に戻り女性と一緒に下山する計画になった。
急いで下山の準備をする。

8:10準備完了。
モンブランの登頂者と非難小屋を出発。

木製のピッケル、登山靴にはアイゼンなし、山屋の後姿を追いかける。

昨日は無かった樹氷、視界は悪く風が強い。

マキストーブの前で「雪山に素人が単独で登るのは危険だ。」と少し注意された。

女性がこっそり教えてくれた話だと、
毎日30キロの荷を背負いジョギング、過酷なトレーニングをしているらしい。

8:28アイゼンなしでどんどん歩く。
たぶん滑ってもピッケルで確実に停止出来るんだろう。
急な登りはキックステップで乗り越える。

置いていかれない様に付いていく。

小屋を出て30分で天狗峠に到着。
昨日は小屋まで2時間以上掛かったのにあっさり到着。
8:43最後に写真を撮らせて貰う、ここで初めて名前を聞いた。

そして私の写真も撮ってくれた。
Nさん本当にありがとうございました。
このご恩は一生忘れません。

この後Nさんは「このガスじゃ天狗塚の頂上に行ってもしょうがないな。」と小屋に帰って行った。
本当に申し訳ない小屋で待つ女性にも迷惑を掛けてしまった。

ここからは一人で下山。
だけどもう安心ゆっくり下山しよう。

今回持ってきたストックは安物、1本500円。
片方が壊れ、もう片方も時間の問題。

9:40肩からザックを外し少し休憩。
今回の重量は18キロぐらい、徐々に増やし冬山テント泊がしてみたい。

この休憩で水筒の水が凍っている事に気づく。
昨日とは違い今日は氷点下?

9:44昨日巻いたテープを発見。

10:30登山口のハシゴ。

途中の雪道でアイゼンを外し洗濯。

やっとカブが見えた。

10:50無事生還!荷物も荒らされてない。

11:05パッキングを済ませ今から温泉に入りに行く。

つづき

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